PIC12F1822を使用した昇圧型DC/DCコンバータの製作

発端

以前作ったLEDテスタの出力電流をアップするために、電源電圧を上げようと考えた。しかし、電池2本を7Vに昇圧する、入手性のよいDC/DCコンバータが秋葉原で入手できないことが分かった。(LTC1308があるにはあるが、高いし旧バージョンだ)
いろいろ検索して考えていたら、秋月で最新のPIC12F1822というのが売られており、こいつの機能を使ったらもしかしてDC/DCコンバータを自作できるのではないか?と思い立って実行してみた。

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要求仕様

入力2.4V (ニッケル水素電池×2本)
出力7V / 100mA

PICの機能の検討

PIC12F1822が持っている機能で、DC/DCを構成するのに使用する回路は以下の通り。
PWMデューティーを制御して出力電圧を調整する
コンパレータ出力電圧を検出する
Fixed Voltage Reference出力電圧検出のためのリファレンス電圧。
これがあったので実現できた。
PIC12F1822は電源電圧1.8Vから動作するので、その点も大きなポイントだ。

回路方式の検討

PICのPWM出力でMOS-FETをON/OFFするオーソドックスな構成とした。

ブレッドボードでの試作結果

比較的大電流の回路をブレッドボードで作るのは邪道だと後で気付いたがとりあえずブレッドボードで実験した。
入力電流は1Ωの抵抗をシリーズに入れて電圧降下で測定した。
入力電圧2.29V
入力電流174mA
入力電力398.46mW
出力電圧7V
出力電流41mA
出力電力287mW
効率72%
PWM周波数16kHz
最大デューティー93.75%

部品代

この回路を実現するのにいくらぐらいかかるか概算すると以下の通り。
PIC12F182280
インダクタ80
FET50
コンデンサ50
SBD20
抵抗25
合計335

結論

出力100mAは実現できていない。たぶんブレッドボードでは無理かも知れない。
効率も若干微妙だが、一昔前の市販DC/DCコンバータぐらいは行っているのではないか?
ただ、自分の考えたとおり、PICマイコンでDC/DCコンバータを実現することが実証できたのでその点は良かった。

改訂履歴

2011.12.11 初版

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